きゅーchanの

韓 国 旅 行 記





★ 2日目 ★

海印寺の宿坊にて

午前2:30、目覚ましが鳴った。
“草木も眠る丑三つ時”にごそごそ起きだしたのは、
朝の勤行に参加しないといけないため。
寝ぼけ眼のまま、支度を始めたんだけど、
3:00の集合までに身じまいを終えられなかった。
勤行から帰ってきてからにしようっと。
夜の勤行と同様、太鼓・鐘が打ち鳴らされ、それを聞きながら法堂へ。
今度の読経は夜の勤行より長いらしい。
それでも4時すぎには終わった。

そのあと、案内役の職員さんが寺の中を案内してくださることになった。
「さあ、これから朝食まではゆっくりできるだろう」
というきゅーchanの期待は見事はぐらかされちゃった(笑)
月明かりさえない真っ暗な山道を、懐中電灯の光を頼りに歩を進めて行く。
こうして行くと、お寺が山の中にあるってことが実感できる。

海印寺に付随する塔頭をいくつかまわった。
そのなかでも白蓮庵は山中の庵の中で一番高いところにあって、
とても見晴らしの良い所だった。


白蓮庵から見た風景。
左手にちょっと写っているのが寺のお堂。
お堂の前には不安定そうな岩があって、荒々しさも演出?
(撮影:M.S.さん)


ここは昔から高僧たちがよく修行場として使ったそうで、
周りの山もごつごつとした岩が多く、修行場らしい景色ではある。
寺の中では、僧がいそがしそうに行き来している。
寺の中では合掌するのが挨拶のようで、
お坊さんのほうを向いて合掌すると、お坊さんも合掌し返してくれる。
コミュニケーションができたみたいな感じがして、うれしくなった♪

山歩きしているうちにすっかり夜が明けてしまった。
2時間ぐらい歩いたなあ。朝からよく運動したなー。
食堂へ行き、朝食タイム。
今度は、好奇心で変なおかずを取ったりしないぞ!と心に堅く誓い、
料理をみると、まず目にとびこんできたのは、ごはんとおかゆ。
“昨日、辛いものを無理して食べたから、おかゆのほうが胃にやさしいよね。”
と思い、おかゆをチョイス。というかおかゆだけをチョイス。
おかゆを口に入れると・・・ん?思ってたのと違う!!
ノリ状になったおかゆにミルク系のものがまざり、
そこに複雑な味がプラスされたというようなシロモノ。
(後で松の実粥と知った)
味わえば味わうほど食欲が落ちるので、
一気にかき込んで、口直しにお茶を飲んだ。
けれどもお茶もすごく水臭い味がしてマズイ!!
ここは早々に退散しようと大急ぎで食堂を脱出した。

身支度を整えたあと、7:30に海印寺を出発し、バスに揺られながら移動する。
朝(というか夜中)早く起きたのに、お粥だけしか食べていないので、
すぐおなかがすいてしまった。
みんなすやすや眠っている中、
昨日の機内食の残りや日本から持参したバームクーヘンなどを、
むしゃむしゃ食べまくっていた。


韓国の高速道路の分岐点の看板。
韓国の道路案内には漢字が使われていないので、
なんて書かれているのかすぐにはわからない。
この看板は右手が「光州」、左手は「大邱」と書かれている。 バスは光州方面に進んでゆく。


そうこうしているうちに、智異山華厳寺に到着!
今日は快晴で、日射しが強いなあ。
昨日の梵魚寺と同様、渓流があり、渓流沿いの道を登っていくと、
中学生ぐらいの韓国人の子供たちが大勢いる。修学旅行に来たのかな?
きゅーchanたちの団体をみて、日本人と見破ったらしく、
「こんにちは!」、「はじめまして。」、「さようなら」など、
盛んに日本語をしゃべりかけてくる。
結局、お寺の上に辿りつくまで、
ずっと日本語の挨拶攻めにあったよー(笑/でもちょっとうれしい)
韓国では日本語を教育してるんだねー。
韓国人は日本人を嫌っているとかいう話をよく聞くけど、
案外、気さくに話しかけてくれるんだね。
ちょっと、認識が改まった。

このお寺の堂舎は、とりわけ立派だったよ!


韓国で最大規模の木造建築である覚皇殿。
文禄の役で焼失したあと、1703年に建て替えられたそうだ。
国宝に指定されている。
ずっしりとした安定感のある建物だねー。
韓国の寺の派手な彩色(丹青というらしい)に目がクラクラしていたきゅーchanは、
この彩色が施されていない落ち着いた雰囲気の建物で癒された。


覚皇殿の前にある石灯。
韓国で最大の石灯で、高さが6.36mもあるんだって!
もちろん国宝指定。

覚皇殿の脇に108段の階段がある。
これを登ると108つの煩悩が落ちるらしい。
でもきゅーchanは、そうとは知らずに登ってしまった。煩悩は落ちたのかな〜?
階段を登ったところには四獅子三層石塔がある。
ここで、ボランティアのガイドさんが日本語で説明してくれた。
「日本語、めちゃくちゃうまいなあ」と思ったら、
このガイドさんは日本から韓国へ嫁いできたんだそうだ。
こんなところで日本人のガイドさんに出会えるとは、びっくりだ!


写真奥の塔が四獅子三層石塔。
645年に慈蔵律師が仏舎利(仏さまの骨)を唐から持ってきて、
それを安置するために建てられた仏舎利供養塔である。
1番下の段の四隅の柱が獅子の形になっている。
この塔は韓国の中の獅子塔の中でも最優秀の塔と言われている。
写真手前の塔の下層中央には華厳寺の創建主である縁起祖師の像
(写真では後ろ向きなのでわかりにくいかも)が、
写真奥の塔最下層の中央には縁起祖師の母の像がある。
この像の場面は縁起祖師が母にお茶を捧げているところで、
親孝行な縁起祖師を讃えているのだそうだ。
こちらも国宝に指定されている。

そろそろ昼時になってきたので、バスで食事処へ移動。
ビビンバの店を予約してくれていたのだが、
バスを降りた途端、強烈なにおいが鼻を突いた。
もう、においでおなかいっぱいだよ〜。
ってところへ10種類ぐらいの惣菜とビビンバが登場。
ごはんとビビンバの具は分かれて出てくる。
適当な量のごはんをビビンバの器に入れて、豪快に混ぜて食べる。
のだが、具が辛いし、食欲ないし・・・
ごはんと辛くないおかずだけ食べようかなと思っていたところ、
見かねたお店の方が、うちの分のビビンバの容器にごはんを入れて混ぜちゃった!
“どうもありがとう(泣)。 でも折角混ぜてくれたんだけど、食べられないんです。すいませ〜ん。”
と心の中で詫びて、混ざったビビンバを置き去りにしてきた。

朝が非常に早かったので、まだ昼すぎだというのに、感覚的には夕方ぐらい。
韓国は時差はないのに時差ボケになってしまった気分。
ビビンバの臭いでやられてしまったきゅーchanは、バスのなかでもちょっと車酔い気味。

しばらく走ると、バスは雙渓寺に着いた。
また渓流がある。韓国のお寺は山と渓流とセットになってるんだねー。
一柱門・金剛門・天王門をくぐって進んでいく。
    
今回の旅行で行ったお寺の四天王像をコレクションしてみました!
これは全部、天王門の中に収められている四天王像のうち琵琶を持っている持国天です。
左から梵魚寺、華厳寺、雙渓寺、松広寺(明日訪れます)のもの。
エキゾチックでユーモラスな顔をしてますねー。
旅行メンバーの1人の方が「“パパイ○鈴木”に似てる」って言うのを聞いてから、
本当にパパイ○鈴木に見えてきちゃいました(笑)


雙渓寺大雄殿の階段の下にある碑で、国宝の「真鑑禅師大空塔碑」。
真鑑禅師昭慧は雙渓寺を大伽藍に発展させた人で、
そのときにお茶を持ち込んだので、この周辺は今でもお茶が有名なのだそう。
で、この真鑑禅師の行跡を讃えて、887年にこの碑が建立された。
碑文は新羅時代の著名な儒学者である崔致遠が作ったそうだ。


岩に彫られた薬師如来の仏像。大雄殿のすぐ横に置かれている。
愛らしくて、一目ぼれしてしまった!
解説の看板によると、高麗時代(918〜1392)に作られたんだって。
古いものなんだねー。

雙渓寺を回っているとき、車酔いなどで相当胃が気持ち悪い状態だったので、
バスに戻るとすぐ寝てしまった。
(きゅーchanが寝ている間に、韓国の濁り酒マッコリを開けて、
みんなで呑みまわしていたらしい。なんてこった!!)


目覚めると、今日の最終目的地の木浦の近くだった。
気分もだいぶ良くなって、これでまた観光できるぞー。
木浦に来たのは国立海洋遺物展示館を見るため。


これが国立海洋遺物展示館。
この建物のすぐ後ろには、海がど〜んと広がっている。
この写真を撮っているときも磯のかおりがしたよ。

この展示館では、韓国近海で沈んでいた船を引き上げて、遺物を展示している。


高麗時代に朝鮮で陶磁器などを運搬していた船(莞島船)の船板の残骸。
底が平らなのが特徴。
それほど大きくなく、どちらかといえば小ぢんまりとした印象。

沈没船の中でも、新安沈船と呼ばれている有名な船がある。
1300年ごろ(日本は鎌倉時代だよ)に中国と日本との間で貿易をしていた船なんだけど、
中国陶磁器や香辛料などお宝満載したまま朝鮮沖に沈んでしまった。
この船に関する展示がこの展示館のメインである。


これが新安沈船。大きい!ものすごい迫力!
展示館の半分ぐらいはこの船の展示場になっている。
白い鉄枠のなかに、海から引き上げられた船の残骸が展示されている。
船底は小部屋のような区画に仕切られている(この写真で、わかるかな?)
そのなかに銅銭などの重たい荷物を入れて、船を安定させていた。

新安沈船の遺物の展示は、いろんな想像が掻き立てられる。
“これは高価そうな1点物の陶磁器だから、上流階級の人に売るんだろうな。
これは同じものが何百もあるから、
市場で「舶来品だよー!」って高値付けて売るのかな?”とか。

沈船の発掘作業の様子が窺える展示もあった。
船が沈んでいる海底は真っ暗で、その中での作業だから、大変だろうな。
引き上げてからの作業も、
陶磁器であればフジツボなんかがびっしりと付着しているので、
それを丁寧にとらないといけない。
きれいになって展示されている遺物を見て、
「ずっと海の中だったのに、よくこんなきれいに残っているなあ」と思っていたが、
そこに至るまでに相当大変な作業があったんだね〜。

木浦の展示館の学芸員さんは、とても親切な方で、
おすすめの食事処まで車で先導してくれた。
そこは木浦名物たこ料理の店で、
小さいめのたこがたくさん泳いでいる水槽が置かれていた。
店は清潔感溢れていて、期待が持てそう!

まず初めにでてきた料理は、切断された生のたこ
さっきまで泳いでいたんだろうなあ。
足なんか、うにょうにょ動いているよ。
昨日はお寺で悲惨な(お寺の方、スイマセン!)精進料理だったのに、
今日は活きたままの料理なんだ。落差ありすぎ(笑)
長めのたこの足を食べてみる。
すると、たこが口に吸い付いてきた。というか吸盤でつねられた!
小さくても油断ならないヤツだ。
味はごま油がよく効いていた。食感がおもしろい。

続いて、サ−ビスですと持ってきてくれたのは、発酵させたエイに豚肉を添えたもの。
恐る恐る口に運ぶと・・・そんなにおいしいってこともないけど、まあイケるかな。
けれども、他のメンバーの方には相当不評だった。
きゅーchanの舌って、どうも一般の人よりズレているのかなあ・・・

はホントに豪快だった。
鍋に活きたたこを放り込み、逃げ出さないように押さえ込むのだ
で、茹だったらはさみでブツブツ切って出来上がり!
この鍋はおいしかったよー。

でも、もっともっとおいしいものに出会った!
それは、鶏肉の中にごはんを入れて炊いたスープ(サムゲタン)。
鶏のダシがよく出ていて、上品な味だったよ。
アワビがまるごと入っているのが、またすごい!!
韓国では、きゅーchanの口に合うものは存在しないのだろうと、
半ばあきらめていただけに、うれしさ100倍だ。

その後、木浦の海辺のホテルにチェックインして、長い長い1日がやっと終わるのであった。




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