きゅーchanの
  中 国 旅 行 記



★ 3日目 ★

今日も朝から雲っている。黄砂だろうなあ。
しっかり朝食を摂って、バスに乗って移動だ。
もう、このホテルに戻って来ないんだなあと思うと、ちょっと淋しい。

本日、最初の観光スポットは鄭州にある河南博物院だ。
ガイドさんが「着きました」って言ったんだけど、
靄がすごくて、目の前の建物すら靄の中。
ここの博物館は大規模で、貴重な文物をいっぱい所蔵しているそうだ。
でも、きゅーchanが訪れたときは内装の工事中で、部分的に開館しているだけ。
“なんか、がっかりだな〜”と思いながら、博物院に入る。
まず目に飛び込んできたのは、ミイラ???


玉衣(ぎょくい)。
紀元前から紀元後の変わり目ぐらいの時代の皇帝のお墓の中から出てきた。
遺体に被せられていたもので、玉石を繋ぎ合わせて作られている。
人の体のラインがくっきりと出ていて、生々しい。

石器時代の展示では、文字らしきものが彫られた骨が!
これって世界史の教科書の最初に習った甲骨文字だよねー。
文明の萌芽の物体が目の前にあるよ!すごいな〜。


甲骨文字の隣に展示されていた骨で作った笛。
指穴が7つ開けられていて、説明がなくても誰が見ても確実に笛だなと思うシロモノ。
これが新石器時代、今から8000年ぐらい前に作られたものだそうだ。
文明が始まったばかりの頃から、音楽を楽しんでいるんだ〜!
人間ってすごい!

すご過ぎるものが目白押しで、びっくりの連続!
ガイドさんが、ずっときゅーchanたちのグループに付いて説明してくれたので、
展示物のすごさがよくわかった。
でも、時間が足りなくて全部は見られなかったよ〜。
これで、この博物館の一部分なんだ!
全部の部屋が開いてたら、見るのに相当な時間かかるだろうな。

河南博物院を後にして、高速に乗って移動。
高速道路は舗装がいいし、広々してて、めちゃ走りやすそう。
1時間ちょっと走った後、「登封」というインターで降りる。
いつものように円卓中華の昼食を食べたあと、嵩山に向かう。
地道をしばらく走ると、ごつごつした鋭角的な山々が見えてきた。
日本でよく見るなだらかな山とは全然違うなあ。

この辺りは整然とした街並で、大きな建物もいっぱいある。
その多くは学校らしい。
少林寺が有名になってから、
そこへ子供を入れようとする親がいっぱいいるので、
学校が林立しているらしい。
少林寺って少数精鋭で鍛えられてるってイメージあったんだけど、違うのかな〜?

登り坂を進んでいき、バスは中岳廟の前で停車した。
中岳廟は紀元前の秦代創建の道教廟で、河南省最大の大規模な廟なんだって。
「廟」ってお墓かな?と思っていたんだけど、そうじゃないんだね〜。


中岳廟前の参道の両脇に祠があって、そのなかにあった石像。
翁仲(おうちゅう)という名前だそうだ。
モアイみたいでちょっと愛らしい?!
門を守る武人で後漢時代に作られたと言われている。


入口の門をくぐって、少し進むと、大きな建物が現れた。
これは天中閣という。
明代の創建。
天中閣の真ん中が通路になっていて、
写真をよくみると、
通路の中にゴマ粒のようなものが3つ見えると思うんだけど、
それは人なんだよ〜!
ほんとに大きい建物でしょ♪


鉄人
4体あるよ。北宋時代に鋳造されたものらしい。
ずっと雨ざらしの状態なのに、キレイに残っている。
メタボ体型だなあ(笑)。
でも、お腹が出てるのは裕福の象徴だったんだって。

この後、まだいくつか門があり、それをくぐると、
道教修行の活動の中心場所である中岳大殿
道教の神のための寝殿を経て、
一番奥にある、道教の経典を入れていた御書楼に辿り着いた。
奥まで行くと、中岳廟の敷地がめっちゃ広いことが実感できるよ〜。

再びバスに乗り、嵩山の中を移動。
次は少林寺。少林寺拳法で有名なお寺だよね。

少林寺は495年に創建された寺で禅宗発祥の地と言われる。
達磨大師が達磨洞で修行をし禅宗を創始したことから、そう言われるんだって。
唐の時代に最盛期を迎えたけども、
元末や清の初めに焼打ちにあったから、
あまり古い建物は残っていないらしい。

少林寺の入口に着いて、びっくり!
USJのようなテーマパークのようなゲートがあり、
お客さんもうじゃうじゃ!
ひっそりとした深山にあるものだと思っていたんだけどなあ。
ゲートの中に入ると、さらに中国人のお客さんがいっぱい!
演武場で少林寺拳法の公演があり、
次の回がもうすぐ始まるとのこと。
急がなきゃ!
バタバタと走っていたら、“つるっ!”と足が滑って、そのまま地面へダイブ!
昨日、鉄塔に登ったときの筋肉痛が最高潮に達していたため、
足がガクガクだったため、倒れるのを防げなかったんだよね〜。
両膝をしたたかに舗装の石に打ちつけてしまった!
手にはデジカメを持っていたんだけど、衝撃で吹っ飛んでいっちゃった!
“足痛くて立ち上がれないよ〜(泣)デジカメは壊れちゃったかも。どうしよう(大泣)”
でも、一緒のメンバーの方が薬を出してくれたり、
デジカメとデジカメの中から飛び出ていったバッテリーを回収してくれたり、
「大丈夫?」と声をかけてくれたりして、めちゃうれしかった!
幸い怪我は少なく、デジカメも壊れてなかったので、よかった♪
メンバーの方々へ。本当にありがとうございました!&心配をおかけしてすいませんでした。

(後日、両膝には大きなあざが出来て、あまりにも立派なので人に見せて遊んでました。
「小さい目のお好み焼きぐらいあるなあ」とか
「そんな大きいあざ作ってる人見たことない」とか、
評判は上々(?)でした。)


少林寺の演武場。
人がいっぱいだよ。

演武場に入ると、真ん中にステージがあり、その周り三方に座席を配している。
座席は日本の映画館よりも座り心地いいよ♪
スモークも焚かれて、コンサート前みたいだ。
女性の司会者が出てきたが、中国語なので何を言ってるのかわからないなあ。
そのうち、坊主頭の少年が出てきて、拳法の形を見せながらステージを駆け巡る。
演武を披露する少年には、色とりどりの照明が当てられて、
バックミュージックや効果音でショーアップされている。


頭上に掲げているのは鉄の棒。
これを気合で頭に当てて折ってしまった。
気合を入れる場面が迫力あったよー!

ヌンチャクや鎖など、道具を使ってする演武は
“体に当たらないんだろうか?”とか思いながらドキドキしながら見たよ。
でも、お客さんを数人呼んで、演武のまねをさせるんだけど、
当然そんな動きはできないので、おかしな動きになるのを
みんなで笑うという演出(?)があったんだけど、
あの演出は嫌らしさを感じたなあ。
中国人はめっちゃ盛り上がっていたけど、日本人は無理だなあ。

演武が終わってから、少林寺の境内を散策。


少林寺の山門の手前、両サイドにあった石門のひとつ。
案内板によると、1500年代半ばに作られたものだって。
少林寺の案内板には日本語も併記されている。
ここは日本人の観光客も来ることが多いのかな?

山門をくぐると、石碑がぞろぞろ並んでいる広場に出た。
唐時代以来の石碑が数百点あるそうだよ。
日本僧の文を刻した碑もあるよ。


少林寺のなかで一番大きな殿舎である千仏殿。
壁に絵が描かれているのがわかるかな〜?
この建物の壁全体が壁画で埋め尽くされている。
少林寺の僧が外敵と戦っているシーンなどを描いていて、
ほんとに武術が尊ばれているお寺なんだなあと思った。

少林寺の背後に山があり、そのテッペン付近に何か建物があるのが確認できる。
「あそこが達磨洞だよ。あそこまでこれから歩いて登るから。」
と聞かされて、愕然!

少林寺の脇から山道を登っていく。
山道って言っても、傾斜は緩くてハイキングコースって感じ。ほっとした。
しばらく登ると、正面に建物発見!初祖庵だ。
初祖の達摩など禅宗五祖を祀っている。
ここは尼寺なんだね〜。
尼さんがお経を読んで夕方のお勤めをしている。


初祖庵の大殿は1125年の建立。
ここは少林寺の焼打ちに巻き込まれずに済んだらしい。
この建物は、河南省のなかで最古の木造建築だそうだ。


初祖庵の大殿の柱の一部。
柱にいろんな文様が彫られているんだけど、
これは、伝説の鳥である迦陵頻だ。
きゅーchanが唯一舞ったことのある舞楽が迦陵頻なので、
ついシャッターを切ってしまった。

尼さんがお勤めの最中なので大殿の中に入れない。
終わるのを待とうということになり、しばし待機。
でも、一向に終わる気配がないので、あきらめた。
時間的に達磨洞は無理だなあということになり、
ここで山を降りることになった。
“足痛いから登らなくてよかった”という思いが半分、“見れなくて残念”という思いが半分。

でも、今日の行程がまだ終わっていない。
またてくてく歩いていくと、塔が林立している場所に辿りついた。
これが、塔林で、少林寺の歴代和尚の墓だそうだ。
石やレンガ造りの塔が200以上もあるらしい。

  
左は塔林の真ん中辺りで撮った写真。
どこ向いても塔がいっぱい!形はさまざま。
右の写真は1339年に建てられた菊庵禅師の霊塔。
この塔の銘文は、当時の少林寺首座であった日本人の僧・邵元が書いた。
そんな昔から、ここで日本人が活躍してたんだね〜。

ここから、車に分乗して来た道を戻る。
ところが、きゅーchanたちが乗った車は手違いにより途中で停車。
ここから歩いてバスが止まって所まで行かなきゃ〜(泣)

これで、本日の行程は終了!
バスでホテルのある洛陽に向かう
そして例のごとく、ホテルに入る前に夕食を摂る。
夕食は、明日洛陽を案内してくださる日本人の先生と助手の方とご一緒にすることになった。
度のきついお酒を飲みあったけど、きゅーchanには度が高すぎて、あまり飲めなかった。
長々と会食してたら、ガイドさんが呼びにきた。
店はもう閉店らしく、きゅーchanたちが居た個室以外は照明も落とされていた。
“この客いつまでいるんだろう”と思われていたに違いない。

今日のホテルのランクは4つ星だけど、もうすぐ5つ星になるらしい。
それは期待が持てそう!宇宙をモチーフにして建てられたホテルだって。
で、着いてみたら、エレベーターや部屋のドアはSF映画の宇宙の基地にありそうなデザイン
(しかもそれが安っぽい!)
部屋の内装も宇宙船の丸い窓から見た宇宙の風景って感じの額が取り付けてあったり
なんか、このホテル普通じゃないな〜。
これで5つ星になっていいのか〜。って声がメンバーから出ていた(笑)
まあ、部屋は広いし、設備は整っているので、まあOKということで・・・
では、おやすみ〜。




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