きゅーchanが見たユーミン

SHANGRILAU
〜氷の惑星〜

コンサートレポート そのV




− MC −

ユーミンにスポットライトが当てられる。「よく映画などで解説がジャマだなあと思うことがありますが、私の解説がみなさんのイマジネーションの邪魔になっていないことを祈るばかりです」と前置きしたあと、第3章の説明。今度は「神々の世界」らしい。どんな世界でも人間が弱いものであるかぎり神様がいるそうだ。

ユーミンは話ながら、船体ステージからアイスリンクステージに降り、リンクの縁を歩いていく。その間、暗闇のアイスリンクステージには何やらゴソゴソと運び込まれている。次曲の準備をしているようだ。結構大掛かりなのかな。

「それでは、夢のある世界へもう暫く旅をしましょう。」というユーミンの言葉で、次曲の幕明け。


♪ Nobody Else

Nobody Else アイスリンクステージに四角い箱のようなものが2つ設置されていた。ユーミンはその継ぎ目の上に立った。聞き覚えのあるきらびやかなイントロ。これは「Nobody Else」だー。明るい照明がステージを照らす。ステージの奥はシャワーカーテンで、大雨が降っているように見える。照明は水色・白・青と色を変えていく。色を変えるごとに雨の表情も変わる。きゅーchan的には、やさしい感じがする水色の雨が一番好きだな。とても涼しげな演出だ。

ユーミンの歌声は力強く場を盛り上げてくれる。もう何曲も歌っているのに、全然声が枯れていないのがすごいなあ。サビの部分のコーラスとのからみもバッチリで、息が合っている。

歌い終わりごろ、四角い箱の奥から2人の男性がひょこっと現われた。それと入れ違いに、歌い終わったユーミンは、箱の向こうへ飛び降り、ステージ中央の穴から退場したようだ。

2人の男性は音楽に合わせて箱の上で飛び跳ねる。この箱はトランポリンだったんだ。高く高く飛びあがる。ステージ奥では、何やらむくむくと起き上がってきた。空気を入れて膨らましている。そして巨大な海の神ポセイドンが現われた。音楽に合わせてユラユラしている。

そして天井から人が落ちてきた〜!バンジージャンプみたいなゴムを腰につけている。上がったり下がったりをくり返している。トランポリンで跳ねてる男性ともう少しで手が届きそうだ。みんな息が合ってて、すばらしい!きらびやか&躍動感のある演出に酔いしれてしまった。


【クラウン3 〜納得のいかない決闘〜】

アリーナ席の後方の左右の出入り口付近でざわめきが起こった。何だろう?見ると左からは牛のぬいぐるみを着てアルペンホルンを持った人と鎧に身を包んでいるけど卑弱そうな人、右からはバグパイプを持った人と鎖のついた武器を持った恰幅の良い人が出てきた。バグパイプとアルペンホルンを鳴らしながらステージへ進む。どうやらステージで決闘が行なわれるみたいだ。右の恰幅の良い人から名乗りを挙げる。そして左の卑弱そうな人も。名乗りだけでも、左の人は負けっちゃってるよ。

そしていざ勝負。予想どおり、左の人は弱すぎる。強い方の人は、弱い人を見くびってからかう。ところが、しばらくすると強い人に異変が!横腹を押さえて倒れてしまった。教会の音楽が流れ、頭上に丸い輪が付けられた。あ〜あ、死んじゃったんだ。と思ったら、死んだはずの人が、周りを制止。「おかしいぞ!」ということでリプレイ。このとき、ビデオの逆回しのような動きをするんだけど、それが面白い。また戦闘シーンを繰り返す。そしてやっぱり強い人が死んじゃう。まだ納得のいかない強者は、今度はスロー再生を命じる。スローで検証してみると・・・なんと牛さんが強い人を刺しちゃった!このクラウンでは、弱者でも、神様が微笑むと奇跡が起こるということを伝えたかったらしい(パンフによる)。でもきゅーchanは、これを見ただけでは、そのメッセージを汲み取ることはできなかった。ストーリー的には何だか訳分かんなかったけど、手拍子や拍手で盛り上がったので面白かったよ。手拍子で会場のお客さんが1つにまとまる感じがいいよね。一緒にコンサートを作り上げてるような感覚が最高!

その後、事実を知って怒った強者は、持っていた武器を客席に投げ込んだ。そしてまたバグパイプとアルペンホルンを演奏しながら、全員でステージ右奥から退場した。


♪ Happy Birthday to You 〜 ヴィーナスの誕生

ビートの効いた前奏が流れるなか、アイスリンクステージの右の縁に穴が空き、そこから、ユーミンが駆け出してきた。衣装がまたボロボロの探険服に戻っている。そういえば、ユーミンはシャングリラ号を探す旅をしてたんだったな。ユーミンは全身を使って躍りながら、歌っている。結構激しい動きなんだけど、全然息切れしないんだよね。すごいよ、ユーミンは。

間奏でユーミンはステージ右袖から引き、ステージ後方に照明があたる。そこでは、空中ブランコが展開されていた。彼らの背中には羽が付いていて、まるで天使みたい。ジャンプで反対側のブランコに移るのは朝飯前。反対側に移る前に空中で2回転したりもする。その後、空中で3回転する大技に挑んだが、ほんのちょっと距離が足らず落下。手は触れたんだけどね〜。残念。空中ブランコのメンバーは間奏が流れている間、コーラスの女性が低音のスキャットを入れているんだけど、それがカッコイイんだ。思わず真似したくなってしまった。

間奏が終わり、再びユーミン登場!衣装がまた変わっている。今度は金と白の煌びやかなジャケット&パンツ。これの意味するところは・・・。そう「再生」だ。天使が微笑んで奇跡が起き、ユーミンもシャングリラ号も生まれ変わったんだ。そしてユーミンの歌声が、より力強く会場に響いた。

歌が終わるとユーミンはまたいなくなり、後奏をBGMにして、また天使たちの舞、空中ブランコが始まった。今度も3回転の大技に挑んだが、またもや失敗。あ〜あ。ウワサによると、この大技の成功率は50%ぐらいだそうだ。ということは、この日は運が悪かったのかな。次回(26日)に期待しよう。最後は空中ブランコのメンバー全員がセイフティーネットの上に立ち、ポーズを決めて終わった。


♪ 航海日誌

航海日誌 ユーミンは舳先で座って歌っている。太陽光のような照明が暖かな雰囲気を醸し出している。少し風があるようで、光の当たった髪がなびいている様が美しい。ユーミンの歌に聴き入っていると、とても心が休まり、うっとりとしてしまった。

一番が終わると、舳先の背後からゴンドラが出てきた。ユーミンはそのゴンドラに乗り、高く上がっていく。そして天井近くをゆっくり進む。ステージは赤い照明に照らされ、ユーミンが乗ったゴンドラには斜めから白いスポットライトが当てられている。その白い光の帯が進むべき方向を示してくれているようにみえる。ゴンドラの上で歌うユーミンは、舳先で歌っているときより迫力があって、歌のメッセージや感情が矢のようにきゅーchanの胸につきささる。体中がじ〜んとした。そして歌い終わると、ステージ最前部中央に着地した。


♪ SHANGRILAをめざせ

ゴンドラから降りたユーミンは、曲に合わせて元気にアイスリンクステージの最前部を駆け巡る。会場は大揺れ。ここで盛り上がらないで、いつ盛り上がる?なんてったって、このコンサートの名前にもなっている曲だもんね。ユーミンの歌もパンチが効いていて迫力満点!きゅーchanも躍りまくっていたら、隣の人の足を思いっきり踏んでしまった。ゴメンナサイ!ユーミンは歌いながら客席のほうに手を振ったりもしてくれる。きゅーchanも両手をちぎれんばかりに思いっきり振った。

後半ステージ最前部中央に置かれたゴンドラの下からクラウンたちが登場。それを皮切りにロシア人のメンバーがアイスリンクステージに全員出てきた。そして、歌い終えたユーミンとともに客席に“礼”。それがウェーブしたような感じになり、きれいだ。そして手を振りながら、ステージの奥へ入っていってしまった。あ〜あ、もうあとはアンコールを残すだけだ。いつも思うんだけど、ユーミンのコンサートを見てるときはあっという間に時間が過ぎてしまう。もっと見たいなあ。そう思いながら、アンコールの手拍子をしていた。


♪ SWEET DREAMS

SWEET DREAMS ステージが明るくなり、音楽が流れ出した。ユーミンは2階ステージ(船上ステージ)とアイスリンクステージを繋ぐ中央階段の上に立っている。白くて裾の長いドレスを着ている。ドレスには大柄の雪の結晶の模様が散りばめられている。ユーミンの背後はシャワーカーテン(もしかしたらスモークかも)で煙っている。その煙った背景に青とエメラルドグリーンの光がグラデーションしている。それが、得も言えず美しい。そしてアイスリンク上では、ユーミンの歌にのって、ロシア人の男女ペアがフィギュアスケートを見せてくれている。ロシア人のフィギュアスケーターってリンクの上に立っているだけでも“芸術点、満点!”って感じだもんね。この優雅な雰囲気は日本人では出せないよね。そして、この「SWEET DREAMS」とフィギュアスケートがベストマッチ!この歌のしっとり&切ない感じをよく表現している。

2番では、フィギュアスケーターはいなくなり、ユーミンがアイスリンクステージの中央へ進んだ。そして、また熱唱!思わずうっとりしてしまう。サビの部分で、ユーミンの立っていた場所がせり上がり、ユーミンがグングン上昇していく。それと同時にきゅーchanも気分もさらに高揚!きゅーーーー!歌い終わったユーミンは、台の上でポーズを決める。ユーミンを眺めていると、突如、シャワーカーテンを突き破って、ブランコの女性たちが現われた!シャワーカーテンで遮られていたから、その奥にブランコの女性がいるなんて、全然気付かなかったよ。ブランコは上下2段になっていて、漕ぐタイミングは、みんなバッチリ合っている。とても明るくて華やかな感じがした。


♪ 雪月花

前曲が終わると、ユーミンが立っていた台が下降し、アイスリンクから30pぐらい上で止まった。そして、この曲は“ああ、そんなに眩しい目で見つめないで”というユーミンの歌で始まった。最初の“ああ”が感情がこもっていて、とても切ない。サビの部分ではうるうるしてしまった。やっぱり、この曲はすごい名曲だなあ。特に演出はなかったんだけど、そのぶん歌をじっくり聴くことができた。ユーミンの歌声がじわ〜っと染み入り、思わず感情移入してしまう。

途中で、メンバー紹介。2階ステージにロシア人のメンバーがずらっと並んだ。その数40人強。それを1人1人紹介していく。ユーミンは、ちゃんと全員の名前を覚えているんだよねー。すごいよ。きゅーchanには、到底できない。紹介が終わると、ロシア人のメンバーがステージの両端の階段から降りてきて、1階ステージに並んだ。そして、ユーミンは、歌の続きを熱唱。観客は、頭上で両手を揺らしている。このホール全体が一体化した感じが最高だ!

そして、歌い終わってしまった。ユーミンもロシア人のメンバーも手を振り最後の挨拶。やがて、ユーミンもロシア人もステージの奥へ消えてしまった。あーあ、終わっちゃったんだな。

この後、10分以上、ダブルアンコールをねばったんだけど、やはり、なかった。最終日じゃないとダブルアンコールはないよねー。


2回目のSHANGRILAU(7/26のレポ)

※ 1回目(7/21)と異なるところだけを書いています。


SHANGRILAUを見るのは今日が最後。始まるとあっという間に終わってしまうんだ。それを考えるとちょっとブルー。でも最後なんだから思いっきりはじけなくちゃ!席はスタンドの3列目で、右斜めからステージを眺める位置だ。前回座席とはちょうど対称になる。左からも右からも見られてラッキーだ。

右から見ると、最初にステージ上に置かれている謎の乗り物の構造がよくわかる。1曲目のLOVE WARSは、左から見るとユーミンがいつの間にかアイスリンクの上を歩いてたという感じだったんだけど、左からみるとユーミンの動きがよくわかった。

クラウン2(狂った彫刻家)で、彫像とユーミンが入れ替わる手品があるんだけど、覆っている布を取り払う前に、拍手してる客がいた。フライングやん!ユーミンが現われてから拍手しないとダメだよ。

中盤のかんらん車は、前回よりも感動したよ。サビの部分を切々と歌い上げるユーミンを見ていると目頭が熱くなってきた。そしてリングを使った演出も良かった。コスチュームに付けられている電飾は、右斜めからが一番よく見えるのだ。お蔭で、この曲の間はうるうるしっぱなしだった。

リフレインが叫んでるは、今回の席からだとユーミンの立つ舳先までの距離が長くなるからダメだろうと思っていたんだけど、この予想は大違い。ユーミンはこっち向いて歌っている。そしてサビの部分ではユーミンの真ん前で青と紫の光が交錯している。そうか!右斜めが正面だったんだ!それを知って大満足。

そしてHappy Birthday to You 〜 ヴィーナスの誕生の空中ブランコ。前回は3回転の大技は失敗だったから、今回は成功するように祈りながら見ていた。そしたら、曲の間奏の空中ブランコは、すべて成功!「おー!」と歓声が上がり、拍手喝采。そして後奏になり、いよいよ最後の大技だ。固唾を飲んで見守っていると・・・なんと大成功!「わー!すごいよー!」と叫んでしまった。失敗してるところも見てるから感動もひとしお。涙がダーっと出てきちゃって、カバンからハンカチを漁る羽目に。この空中ブランコの成功は、大きいね。この後、会場は前回よりも盛大に盛り上がった。


おわりに 〜SHANGRILAUの感想〜

今回のコンサートは、前評判がかなり高かった。前評判が高いものって、実際体験するとがっかりすることがよくあるんだけど、ユーミンのコンサートは想像以上にすごかった。今回のコンサートで、一番感心したのは、コンサートにストーリーがあったこと。ストーリーのあるコンサートなんて、今まで見たことがなかったので、ほんと感動した!コンサートとミュージカルの良い部分を併せ持ったようなステージだった。持ち歌(ユーミンの場合は全部自分で作詞・作曲してるもんね)だけで、ストーリーを作れるというのがまたすごい!幅広い楽曲を手掛けているユーミンだからこそ、成し得ることだよね。
それから、「動」と「静」の使い分けがうまい!激しい歌や華やかな演出と、静かな歌やモノトーンの演出があって、それが互いに引き立てあっていた。

パンフレットに「もしUをやるとしたら、前作の倍以上のスケールでないと意味がない」とユーミンが力説したと書かれているが、その言葉に違わずSHANGRILAUはSHANGRILATよりも数倍素晴らしいコンサートだった。今度はもっと感動させてくれる“SHANGRILAV”を是非見てみたい。




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